医学部生・大学院生の研究リテラシー向上を目指す
東海臨床・基礎融合研究
ジュニアスペシャリスト
育成のための
OJTプログラム
学生を含む若手研究者への
「一気通貫教育」と「集中伴走型支援」で、
研究リテラシーを向上させる仕組みを構築。
名古屋大学・名古屋市立大学が連携し、文部科学省の事業に採択された高度医療人材養成拠点形成事業「東海臨床基礎融合研究-ジュニアスペシャリスト育成のためのOJTプログラム-」をスタートさせています。
このプログラムは、計10機関の事業協力のもと、医学部生や大学院生が臨床研究と基礎研究のスキル向上を目指すために始まりました。医学部生が臨床研究と基礎研究に学生時代から関わることで研究に興味を持つ機会をつくり、また基礎的な研究リテラシー獲得につなげます。
また大学院生が指導に関わりサポートを受けられる体制を築くことで、自身の時間を確保しながら研究に打ち込める環境づくりも目指しています。
背景
医学系研究において現在、研究者に関わる大きな課題として挙げられているのが、若手教員レベルの基礎・臨床研究者が研究に割ける時間が限られていること、また医学部生が研究に関わる機会が少ないため研究者を志しにくい状況になっていることです。また、若手のうちに基礎研究と臨床研究の双方に関わることが難しく、研究の広がりを持ちにくいことも挙げられます。
これらを解決するための仕組みとして考えられたのが、今回のプログラムです。
研究者育成に関する課題
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研究に関わる
キッカケがない - 医学部生の段階で研究に関わる機会が少なく、研究の魅力を知らずに卒業してしまうことで、研究への興味を持ちにくい。
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医療者が研究に割ける
時間が目減りしている - 大学院生として研究に取り組むものの、実務補助など研究を支える機関・人材が不足しており、自身の研究に割ける時間が限られている。
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臨床研究・基礎研究が
乖離している - 臨床研究・基礎研究を横断的に学ぶ機会がないため、双方向の情報交換・共有などが難しく、研究の広がりをつくりにくい。
概要
- 目的
- 持続可能な基礎・Translational Research(TR)/臨床研究推進基盤となる「東海臨床・基礎融合研究サポートコア」を設置し、学生を含む若手研究者の医学英語力を含めた研究リテラシー向上と同時に、診療科教員の業務負担軽減に資する仕組みを構築する。
目的
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東海臨床・基礎融合
サポートコアの設置・維持 - 名古屋大学、名古屋市立大学に特任教員を配置するほか、「臨床教育」「臨床研究」「学部教育」「基礎・TR(がん分野・神経分野・生殖分野)」の診療科教員がメンバーとして参加。企業・大学関連・研究所も協力機関に入り、プログラムを支える。
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Student Assistant(SA)
・Teaching Assistant(TA)
に対する教育プログラムの提供 - サポートコアが主体となり、診療科大学院生・医学部生に対して「初級プログラム」「中級プログラム」「研究へのOJT」参加の機会を提供。臨床研究・基礎研究をまたいだ知識を得て、各大学でさらに研究を進めていく。
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卓越した成果が見込める
研究課題に対する集中伴走型支援 - サポートコアによる研究デザインや解析等に対する適切な支援だけでなく、研究協力機関等の臨床研究支援者が、臨床研究実施のための必須文書の準備~英文論文作成補助まで集中的に伴走援助する。
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Real World Dataの
積極的な活用 - データ可視化ツールを活用することで、研究シーズのフィジビリティ調査のための時間や労力を軽減。データの一括抽出と従来の方法によるデータ収集を組み合わせ、現実的に効率の良いデータ収集を可能にする。
期待される効果
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領域を横断的に学ぶ
若手研究者の育成 - 基礎研究から臨床研究を一気通貫に学ぶことで、病態解明、シーズの発見等の基礎・TR研究から、医薬品創出等の出口戦略を含めた臨床研究まで、一気通貫な教育支援体制の構築が可能となる。
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医学部生の能力向上により
医行為実施率を増加 - 学生の医行為実施状況を可視化し、弱点克服のためのシミュレーション実習を実施。学生自身の能力不足を解消する、臨床現場に出る直前のシミュレーション教育が充実する。
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研究者の
働き方改革の実現 - 臨床研究に従事する診療科教員の業務負担軽減となることから、基礎、臨床研究者のワークシェアリングにつながり、医師の働き方改革に資することが期待できる。
具体的な目標
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国際レベルの臨床研究を推進・サポート
するための、東海臨床・基礎融合研究
サポートコアの構築と運営 - ● 特任教員の雇用(名古屋大学2名、名古屋市立大学1名) 名古屋大学の教員2名のうち1名がTR研究経験のある基礎研究教員、1名は臨床研究を専門とする教員 ● 研究活動に参画する医学生、大学院生を、SA・TAとして採用する(平均年間25名)
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国際レベルの基礎・TR/臨床研究を
サポートするためのプログラム作成と
成果物の共有 - プログラムの妥当性の点検と共有のための定期ミーティングの開催(年1回)
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シミュレーション教育の
充実化による医行為実施率の増加 - 学生自身の能力不足を解消するために臨床現場に出る直前のシミュレーション教育を充実化。学生の医行為実施状況を可視化し、弱点克服のためのシミュレーション実習を行う。
- 教育支援体制の充実化
- シミュレーション教育補佐員や看護師を活用することで、より効率的な教育を実施し、医師が研究や臨床現場での臨床及び教育にエフォートをかけられることを目標とする。
- 屋根瓦式教育の実践
- 医学教育入門コースを履修した医学生による屋根瓦式教育を実践することで、現場の医師の教育負担を減らすと共に参加医学生にとっても医行為への理解度が高くなることが期待される。